手仕事
北国では冬が来る前に庭木類の「雪囲い」をしている所を見ることが多い。
昔は家屋に対してもぐるりと囲いを作ったり、
豪雪地域では、屋根から落ちてくる雪のはずみで窓が割れないように、
板を打ち付けているのを見かけたことがある。
その「雪囲い」に使う素材の一つに、ワラがある。
昔話の中に出てくるワラぐつや草鞋、蓑笠(漢字で書くのはむずかしい)に使われるワラ。
空気層を含んでいるから保温効果もあると思うけれど、
何はともあれ自然素材。収穫後のもう一つの恵みでもある。
前置きが長くなってしまった・・・。
写真の「雪囲い」は盛岡市の光原社の中庭にあるお地蔵さんやポール。
木々ではないものたちへの「雪囲い」に心が動いてしまった。
恐らく庭師の方によるものだろうが、粋と言うか、その丁寧さに脱帽してしまった。
一つひとつに宿る心配りに、手抜きをしない職人技の芸とはこういうことか、と。
顔も知らない「その方」に会ってみたくなるほど心が動いてしまった。
手仕事の魅力は、「手」が作り出すことによってのみ現れてくる「何か」があるように思える。
それは仕上げまでにかかる時間であったり、作り手の心であったりさまざまだが、
量産とは異なる「何か」が。
人からひとへ受け継がれる無形のものに見えない価値があり、
手仕事に惹かれる理由が重なってくる。