別れ......
心の準備もないまま、それは早朝に突然やって来た。
雌チャボ4羽全て、テンに襲われてしまった.....
全く予想もしていなかっただけに、ショックを受けている。
鶏小屋は10年前に建てたもの。
外敵のことも考えて金網も二重にして万全を期してたはず、だった。
見つけた時はすでに手遅れだったが、
テンは目の前にまだいて最初は逃げようともせず、
逆にそのしたたかさを見せつけられる形となった。
何年前かの冬、やはり早朝にテンと出会ったことがある。
朝起きて窓のカーテンを開けたらモグラをくわえていたテンと偶然目が合った。
やはり逃げる素振りも見せず、悠然と森の奥へと去って行った。
冬の毛は金色に優雅に輝き、
顔は白くとても愛くるしい表情をしていたことを記憶している。
昔は最高級の毛皮として売買されたらしいが、
乱獲による頭数激減で今は絶滅危惧種に指定され、
モチロン、捕獲は禁止されている。
それでも.. ...。
自然界の厳しさは何となく頭で理解しているつもりでも、
甘かったことをまた思い知らされた。
腐った木が突然折れて倒れてきたり、草刈りをしながら漆にかぶれたり、
スズメ蜂に襲われたり、熊に出会ったり。
実際に被害を受けたり事故にでも遭遇しないと
体に染みないことも分かっていたはず、だった。
こういうことがあって、思い出すことがある。
以前読んだ「シートン動物記」の中に、
飼っていた20羽以上の鶏をオオヤマネコに襲われたシートンが、
家に侵入してきたヤマネコを射止めるシーンがある。
その後、巣穴を見つけ、ヤマネコの亡骸と餓死していた子供2匹を発見し、
言葉を失うシートンがいた。
生きてゆくのは人間も自然界の動物も厳しいことは変わらない。
今後「犯人」のテンと再び出会うことはないと願いたい。