時を刻む
2年目の「3・11」を迎えた先日、 町内の知人から「追悼の時間を持ちたい」と電話がかかって来た。 彼が仲間たちと仕事の合間を練って、週末ごと沿岸へ出かけ支援を続けた一昨年の、 記録として撮り貯めたスライド1500枚を、皆で野外で見ることになった。 追悼のローソクや、映像を映し出すパネルもスタンドもすべて手づくり。 あいにく冬型の天候に戻り、終日マイナス気温の中の作業があった。 段々寒くなって来て、体の芯まで冷え込みながら皆で見た2時間半、 凍るような海水に浸かってしまった人達が抱いたであろう恐怖感や、 寒空の地に取り残されて不安一杯の心境を、どんな気持ちで共有できるのか。
できない事はわかってても、ほんの少しだけ思いを馳せる。 大槌町で被災し、この町に移住した方たちも何人か居る事を知った。 参加者はわずかでも、中身の濃い時間。 暗がりに一人見知らぬ人が居て、気づいた知人が声を上げたのは終わり頃。 一昨年の町の主催の災害ボランティアに参加してから知人と知り合いになり 追悼の時間の事をネットで知り、青森県の野辺地から5時間以上かけてやって来た。 人のつながりは、ここぞと言う時にすごいエネルギーになるんだなぁ、と。 まんざら捨てたもんじゃないなぁ、と感じた夜。